開咬(前歯が噛み合わない)をマウスピース矯正で治療した症例

開咬(前歯が噛み合わない)をマウスピース矯正で治療した症例

横浜市瀬谷区の瀬谷矯正歯科です。今回は、歯のデコボコと前歯で噛めないことを主訴に来院された10代の患者さまの症例をご紹介します。

開咬(かいこう)とは、奥歯を噛み合わせても上下の前歯が接触せず、すき間が開いたままになる状態です。前歯で食べ物を噛み切りにくい、サ行・タ行などの発音が不明瞭になりやすいといった機能面への影響が出やすい歯並びです。

本症例は、前歯部の開咬を認め、舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)という前歯を舌で押し出してしまう習慣が原因の一つとして考えられました。加えて、奥歯の噛み合わせに左右差を認め、その影響で上下顎の正中(せいちゅう)も一致していませんでした。

治療は、マウスピース型カスタムメイド矯正装置を用いて、非抜歯で進めました。

治療期間中は、口腔筋機能療法(MFT:Oral Myofunctional Therapy)にも積極的に取り組んでいたき、正しい舌の位置や使い方の習得を目指しました。その結果、治療後も著しい後戻りを認めることなく、現在も比較的安定した咬合を維持しています。

目次

開咬(前歯が噛み合わない)症例の概要

Before

After

主訴歯のデコボコが気になる、前歯で噛めない
診断名開咬
治療開始年齢13歳1ヶ月
治療に用いた主な装置マウスピース型カスタムメイド矯正装置
抜歯部位非抜歯
治療期間16ヶ月
治療費概算(税込)1,023,000円(基本料 990,000円+処置料 33,000円)

※ 矯正歯科治療は公的健康保険の対象外の自由(自費)診療となります。
※ 治療期間・治療費は患者さまの症状により異なります。

開咬(前歯が噛み合わない)症例のリスク・副作用

  • 装置に慣れるまでは、違和感や痛み、発音のしにくさが生じることがあります。一般的には数日〜1、2週間で慣れてきます。
  • マウスピースは1日20時間以上の装着が必要です。装着時間が守られない場合、計画どおりに歯が動かず、治療期間が延長したり装置の作り直しが必要になったりすることがあります。
  • 取り外し式のため、紛失・破損した場合は再製作が必要になります。
  • 装置を装着したまま糖分を含む飲み物を摂ると、むし歯のリスクが高まります。適切な歯磨きと定期的な通院が必要です。
  • 歯を動かすことにより、歯根が吸収して短くなることや、歯肉がやせて下がることがあります。
  • 歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。
  • 成長期の治療のため、その後の顎の成長によって咬み合わせが変化し、追加の処置が必要になることがあります。
  • 舌で前歯を押す癖などが残っている場合、開咬は後戻りが生じやすいとされています。
  • 動的治療終了後、保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや咬み合わせの「後戻り」が生じる可能性があります。
  • 使用する装置は薬機法上の未承認医療機器にあたるため、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

使用した装置について(薬機法上の未承認医療機器)

本症例で使用したマウスピース型カスタムメイド矯正装置は、薬機法(医薬品医療機器等法)上の承認を受けていない医療機器です。以下の点をご確認のうえ、ご検討ください。

  • 機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • 新しい装置に交換するたびに歯型をとるため、治療完了までに複数回の歯型とりが必要になります。
  • 正しい装着方法で1日20時間以上使用しないと、目標とする治療結果を得られないことがあります。
  • ご自身で取り外せるため、紛失することがあります。
  • 症状によっては、マウスピース型装置で治療できないことがあります。
  • 装着したまま糖分の入った飲料をとると、虫歯を発症しやすくなります。
  • 治療によって、まれに歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
  • 通常の矯正治療の前処置として使うこともあるため、ワイヤーを使う治療への変更が必要になることがあります。
  • お口の状態によっては、マウスピース型装置に加え、補助矯正装置が必要になることがあります。
  • 治療完了後は後戻りを防ぐため、保定装置の装着が必要になります。
  • 薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器です。日本では完成物薬機法対象外の装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となることがあります。

開咬(前歯が噛み合わない)を放置するとどうなる?

開咬は、前歯で食べ物を噛み切りにくいため奥歯に負担が集中しやすく、サ行・タ行の発音が不明瞭になりやすいといった機能面への影響があります。また、口が開いた状態になりやすく口腔内が乾燥することで、むし歯や歯周病のリスクが高まることも指摘されています。

症状の程度や年齢によって、適した治療法は異なります。前歯が噛み合わないことが気になる方は、まずは初診相談でご自身の状態を確認することをおすすめします。

開咬(前歯が噛み合わない)のご相談はお気軽に

瀬谷矯正歯科では、初診相談を行っています。あなたの歯並びの状態を診察したうえで、治療の選択肢・期間・費用について丁寧にご説明します。

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この記事を書いた人

紙本 裕幸のアバター 紙本 裕幸 瀬谷矯正歯科 院長

瀬谷矯正歯科 院長。歯科医師、博士(歯学)。
徳島大学歯学部卒業後、東京大学医学部附属病院にて臨床研修、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科(顎顔面矯正学分野)博士課程修了。
同大学歯学部附属病院矯正歯科外来にて特任助教、大学院非常勤講師を務める。
2025年6月ひらの矯正歯科院長就任、2026年8月瀬谷矯正歯科へ名称変更。

日本矯正歯科学会認定医。所属学会:日本矯正歯科学会、東京矯正歯科学会。

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